③GOAT〜NEW WORLDを担うのは?〜伝説の始まり

2023年23時57分、カウントダウンと共にYouTubeが公開がされる。配信動画のカウントダウンの映像と共に新年を迎えるなんて本当に時代も変わったものだと思いながら。

そして2024年1月1日。待望のNumber_iデビュー曲が発表された。

3人が歩いていく映像と共にシンセ音。の後が一瞬だった。

え?終わった?いや、始まった??

視聴した後何が起こったのか分からないというのが正直最初の感想だった。

家族に「あけましておめでとう!」だけ言ってスマホ片手に自室に戻り繰り返し視聴する。

そして大爆笑である。

別におかしかったわけではない。

どちらかというと「やってくれたな!」という笑いである。

私は「今やボーイズグループ戦国時代。彼らがどんな楽曲で勝負してくるのだろう」と不安と共にデビュー曲を待っていた。才能ある彼らのことだから楽曲については安心感はあったもののどんな「名盤」であっても既存のような音楽では、今や埋もれてしまうのが目に見えている。

しかし蓋を開けてみればラップオンリーの尖ったHIPHOP。アイドル時代の影もなく低音ボイスかと思えば、岸優太のちょっとクレイジーなフロウ(褒めてる)が効いている。

衣装何回変えとんねん!場面何回変えとんねん!え?ヘリ???いや、ごっつビジュええやん!ライティングえぐっ!カメラレンズなに使ってるん??え?会議室にいるおっさんかわえっ!え?キスしとる人おるやん…ダンスもえぐぅ‥てか終わったと思ったら巻き戻ってるし!てか始まってるし!!!と関西なんか住んだ事もないのに関西弁炸裂で突っ込んでいた。

私はあまりHIPHOPやラップ音楽に触れてきていなかったので、最初で楽曲の良さは語れなかったが、耳馴染みがとてもいいことは感じた。そしてとにかく映像美というか凝っていてまたどの場面でも3人の顔が良くスタイルも良くダンスも良く、神に感謝した。

そして次に思ったのが、「これは誰も真似できない。いや誰とも戦おうとしないで作られた楽曲だ」ということ。

元々アイドルである彼らがHIPHOPに転身したのではない。

多面性を持つアーティストとして素地のアイドル部分を武器に尖っているくせに万人にウケる楽曲を発表したのである。

誰とも勝負しない。自分達だけのオリジナリティ。彼らの気概が感じられた。

にしても金のかかった映像である。

とにかく場面展開が多い。一場面で多分一つのMVが制作されてしまう勢いだ。

ディストピアぽい廃屋の部屋に監視カメラ。洋楽MVオマージュぽさのあるダンスシーン。アメリカの映画を思わせるようなたくさんの記者の中、廊下を進む3人。SFチックな照明の店内で踊り、ビルの屋上でヘリを従えて踊る。また会議室のテーブルの上で踊る。何編かの映画を組み合わせたような映像はどれもセンスの塊。このMVも観てるだけでも十分な満足感が得られるのは、そこでの登場人物が演技も経験している「アーティスト本人」だということ。最高の演出に映画の主役級のビジュアルを持つ3人は強い。

これは繰り返し見てしまう。

そして繰り返し見たことで発見する事もある。

シーンごとに区切って見ると

・まず3人が歩いている廊下のサイドには何もない。

・カメラが転がるような廃屋でカメラの前で歌う3人

(天井から瓦礫のようなものが降ってくる)

・次のシーンでは最初の廊下サイドに記者めいた人とキスをする男女

HipHopの代表的MVのような映像

・チャンネルのようなダイヤが切り替わると粒子になった彼らが外に飛び出す。

・疾走しているシーンから屋上に移り、ヘリが現れるところを見ると彼らは何かから逃げてる?

スマホをしながら店内に入ってくる平野を迎える二人。

・監視カメラが作動する映像。

・レーザービームが錯綜している(狙われている?)(しかしレーザーガンに見立てた?バーコードチェッカーの味がいい)

・会議室で白い服を着て踊る3人はシープ(羊)?それともGOAT(山羊)?

・ここからショートのカットの連続。特に印象的なのは会議室のテーブルに外人(オトナ)に囲まれている3人。

・そこから一転、ファンキーな衣装の岸が登場。白い服だった二人もビビットな衣装にチェンジする。ここの歌詞が効いていてちょうど「あれもしたいこれもしたい」にかかる。

・回転するカートと路面に現れるNumber_iの文字。(ここでの車の揺れに身体を持っていかれる3人に注目)

・そしてまた廃屋に戻りカメラを覗き込む3人。

・カメラの踊る向こうでダンスをする3人。

・そして岸がチャンネルを変えると映像が巻き戻っていく。

・ここで注目したいのが先ほどのカートの揺れ。身体の揺れが小さくなっている。

・またアングルが変わってたり、なかったシーンがカットインされる。

・テーブルの上で外人に囲まれていた3人が前に出てくる。

・そしてまた廊下のシーンへ。サイドには多くの胸像達(最初にいた人達が胸像に変わった?)

・部屋を覗き込む3人。それはあの会議室?しかもまた多くの胸像達。

・その部屋に入ると会議室ではなく白い教会のような空間。

・会議室のテーブルではなくその階段(祭壇)で歌う3人。

・平野が「FLY」で飛ぶ。

・しかし舞っている白いものは降りて来てるようにも上がっているようにも見える。

・Number_iのロゴが反転する。

ざっとこんなとこだろうか。

3分半強の映像の中に要素がたくさん詰め込まれてることはこれで良くわかる。

最初から見るとディストピア(反ユートピア)に囚われている3人。そこで活動するが、あるきっかけで外に飛び出す。外の世界で逃げるが自由や個性というものを知る。そして逆に戻る段階で世界が少し変わる。

たくさんいたうるさい人たちは物言わぬ「胸像」になった。

しかも廃墟のようなディストピアから一転、白いユートピアの世界になる。

しかしディストピアで舞っていた瓦礫は落ちているのに対して、ユートピアでは上がっている。逆さまになる。つまり彼らは舞い降りていて、始まりはユートピアからだったかも知れない。

なんともSF的で哲学的なMVなんだ。

「常識は常識ではない」「当たり前は当たり前ではない」「最初は終わりでもある」し「終わりは始まりでもある」

風刺や皮肉も混ざっている反面、悟りみたいな境地も感じる。

しかしその中で「GOAT〜GREATEST OF ALL TIME〜史上最高〜」であり「MASTER PICE〜傑作〜」を作り出した。

それが彼らの「Answer」である。

いや、一本の映画より考察した。しかも歌詞と照らし合わせるとまた深まる。

しかもこれは、ラップの技術、リズム感、発声、またはダンススキル、またビジュアルや表現力。どれもが「最高到達点」でないと成し得ない。アーティスト、クリエーター全てが総力を上げないとチープになり、一つ間違えると目も当てられないこととなっただろう。

もうスタオベです。感服しました。

もちろん、これだけの意味付けをしているかは分からず、そのように見えている思い込みの方が高いかも知れない。

元々MVはそれぽく見えるようにかっこよく作る。

しかし、それでもこれだけの映像のカット数でストーリーを構築させるこのセンスが見事だ。

これほどの予算をかけたものであったら、海外大物とか海外ロケも可能であったと思う。

だけど今回は国内のトップクリエーターを揃え、莫大な予算をかけてもあえて全て国内ロケで挑戦した。

日本を世界に見せつけるために。

公式YouTube「MV」視聴「1000万人」3日かからずに突破。

グローバルMVランキング3日目でディリー1位。

各音楽サイトでも軒並み1位をデビューしたてで席巻しているのは目に見えてわかる。

でもまだ答えは出ていない。

なぜなら彼らはまだ地上に舞い降りたばかりなのだから。

 


※完全な個人的視点からの考察になります。ご了承ください。

 

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